「値上げしない」は続けます、ただし――。ファミリーレストラン大手サイゼリヤの松谷社長は11日、値上げする飲食店が相次ぐなかでも続けている、税込み300円の「ミラノ風ドリア」など自社の低価格路線について、「価格の面で非常に優位性がある」として変更しないと明言した。
 ただ、この日から始まった秋のメニュー改定に合わせ、通常メニューを141品目から101品目へ減らしたり、パスタなどの大盛りをなくしたりした。その分、使う食材を絞り込んで廃棄コストを削減し、生ハムなどのサイドメニューを多く頼んでもらうことで、1組あたりの客単価は上昇させたい考えだ。
 この日あった2023年8月期決算の会見で語った。売上高は前年比27%増の1832億円、本業のもうけを示す営業利益は前年の4億円から大きく増えて72億円だった。日本国内は14億円の赤字だったが、中国や台湾、シンガポールといったアジアが84億円の黒字で、全体を押し上げた。純利益は8・9%減の51億円だった。