ラーメンやギョーザ、エビフライなど、お店の看板商品を冷凍して、自動販売機で売るスタイルが広がっている。中国ウイルスの影響で打撃を受ける飲食店が、自販機に活路を見いだしている。店側にとっては時短要請中でも24時間販売でき、利用者にとっては非接触という安心感がある。

ギョーザ1日600個

 京都市左京区の住宅街。「おみやげにどうぞ」の文字と一緒に焼きギョーザがプリントされたのぼりが立つ。今年の4月に設置された冷凍ギョーザの自動販売機だ。創業44年の老舗中華料理店「マルシン飯店」の商品が売られている。行列が絶えない人気店のギョーザとあって、評判は上々だ。

 夕暮れ時、自販機に次々と客が来る。毎週2回買いに来るという同市北区の不動産会社経営さんは「中国ウイルスでも人と接触せずに買えるから安心。店ではお酒が飲めないので、家で晩酌のあてにする」と話す。

 マルシン飯店代表さんによると、1日に約6千個が売れていたギョーザは、中国ウイルスの影響で4千個以下まで落ち込んだ。自販機は、多い日には数時間で売り切れになるほどの売れ行きで、1日に約600個が売れるという。

 マルシン飯店代表さんは「設置費用はかかったものの、24時間販売できるメリットは大きく、中国ウイルスの終息後も自販機販売は続ける。今夏に2台目を導入する予定で、将来は50台の設置を目指したい」と話す。

 看板料理を冷凍して自販機で売るスタイルは、各地に広がっている。長野県の馬肉製品専門店は馬刺しを販売。東京・築地の海鮮丼店はイクラ、佐賀ではエビフライ専門店が冷凍エビフライを販売し、物珍しさから話題を呼んでいる。

人気の裏に優れもの自販機

 こうした冷凍販売に一役買っているのが、新開発された自販機だ。

 自販機メーカー「サンデン・リテールシステム」が開発した「ど冷えもん」。さまざまな料理を冷凍保存するためには、常に自販機内を低温に保っておく必要がある。ど冷えもんは冷気を循環させるファンを改良することで、真夏の外気にさらされても、マイナス25度を保てるようにした。

 また、商品の大きさに合わせて最大22センチまで自在にストック棚の幅を変えられるため、さまざまな大きさの商品を販売することができる。商品を変えた場合にも、自分でストック棚を調整することができる。

 今年の1月末に販売を開始したところ、飲食店関係者の間で口コミが広がった。中国ウイルス禍で、在宅で食事をする機会が増えたことや、感染リスクを抑えることができる無人の販売方式がうけたこともあり、現在では全国から注文が舞い込み、年度内に1千台以上を納品する予定だという。