本場を知ろうと飛び込んだイタリア北東の小さな町で、ともみさんはジェラートで自分は何をしたいか考えた。

 修業先は家族経営の店で、地域の人の暮らしとつながっていた。散歩中に寄ってくれたり、手土産を買いに来たり。ショーケースには季節の味があり、定番には「いつもの」という常連客がいた。

 ジェラートマシンという道具は同じでも、味に風土が表れる。「イタリアの農作物は太陽そのままの力強い味。では日本の果物や野菜のおいしさはなんだろうって。伝えたいことが見つかりました」