クロムは、糖質代謝、脂質代謝に必須のミネラルです。

特に血糖値の調節に対するインスリンの作用を助け、増強します。
クロムは糖尿病の予防、中性脂肪やコレステロール値の改善に効果があるといわれています。

クロムの主な性質

クロムは常温で安定します。
塩酸、希硫酸に溶けます。

クロムは尿や毛髪に含まれています。

クロムは体内に吸収されにくいミネラルです。
吸収率は0.5~2%程度です。

クロム欠乏症

通常の食生活では、クロムが不足することはほとんどありません。

ただし、クロムは、加齢とともに体内の含有量が減っていきますので、サプリメントでの摂取が必要となるケースがあります。

  • 耐糖能(インスリン感受性)の低下
  • 糖尿病
  • 動脈硬化
  • 高血圧
  • 体重減少
  • 末梢神経障害
  • 昏迷

クロム過剰症

クロムの吸収率が低いため、過剰症が問題となることは滅多にありません

長期間の過剰摂取を行った場合は、嘔吐、下痢、腹痛、肝障害、中枢神経障害などの起こる可能性があります。

クロムを多く含む食品

  • 干しひじき
  • わかめ(乾)
  • そば(生)
  • らっかせい(乾)、アーモンド(乾)
  • プロセスチーズ
  • あなご(生)、あさり(生)
  • コンビーフ缶詰、ベーコン
  • マイワシ(丸干し)

クロム摂取推奨量(暫定値)

  • 成人男子 35〜40μg/日
  • 成人女子 30μg/日

【注意】摂取基準については、科学的根拠が不十分なため、「暫定値」となっています。

クロムの摂取をオススメする人

  • 悪玉コレステロール値を下げたい人
  • 高血圧、動脈硬化を予防したい人
  • 糖尿病を予防したい人

メモ

クロム単体に毒性はありません。
また、食品中に存在するクロムのほとんどは3価クロムで、毒性は知られておりません。

6価クロム化合物は酸化作用が非常に強く、毒性が高いものとなっています。
皮膚炎や肺がんを起こす可能性があるといわれています。