コオロギをグツグツ煮込んだエキスを原料にした地ビールを、岡山市内の醸造所がつくった。湯気は生臭かったものの、熟成を経ると、マイルドでこくのある飲み口に。330ミリリットル入りで800円と高めの価格設定だが、意外と人気で、新たなラインアップも準備しているという。
コオロギビールをつくったのは吉備土手下麦酒醸造所(岡山市北区)。これまでも季節の果実やショウガ、カモミールを使ったビールなど、独自の商品展開を進めてきた。新たに目を付けたのは虫だった。
「昆虫食」は地球温暖化に伴う食糧危機の解決策の一つとされる。昆虫は牛や豚などの家畜より圧倒的に少ないエサや水、エネルギーで効率的に育てることができ、たんぱく質の含有量も肉と比べて遜色はないという。
同醸造所は2月、吉備中央町産の米ぬかで育てられた生の食用コオロギ2キロを煮込んで「だし」を取り、麦汁にブレンド。200リットルのビールをつくった。