ウナギ養殖に使うシラスウナギを違法に採取したとして、警察や海上保安庁が逮捕する事件が先月、岡山市内で相次いだ。ただ、県内ではシラスウナギの捕獲は全面禁止されている。1キロ150万円程度の高値で取引されるため、県外に密売されている可能性が高いとみて調べている。

 「密漁しているのではないか」。4月5日未明、県警に110番通報があった。岡山東署員が岡山市東区の駐車場に駆けつけると、会社員の男2人が210匹ほどのシラスウナギが入ったバケツを持っていたという。

 体長20センチ以下のウナギの所持は県海面漁業調整規則で禁じられており、6カ月以下の懲役か10万円以下の罰金が科される。署は同規則違反の容疑で2人を逮捕した。

1キロ130万~150万円で取引き

 玉野海上保安部なども4月、29~40歳の男5人を同容疑で逮捕。男たちは1日午後10時ごろ、岡山市南区の港で懐中電灯と網を使い、20センチ以下の124匹を採取した疑いが持たれている。

 水産庁によると、シラスウナギは12月から鹿児島県付近の沿岸に集まり始め、4月末にかけて北上する。ウナギの養殖が盛んな鹿児島県や高知県などでは、知事の許可を受けた漁業者が海にライトを照らしてシラスウナギを集め、網でとり、養殖業者などに販売している。2021年は全国で11・3トンのシラスウナギが採取されたという。

 ただ、シラスウナギの密漁は後を絶たない。近年は1キロあたり130万円から150万円と高値で取引されているためだ。

 岡山県では従来、シラスウナギを採捕した場合、県内のウナギ養殖業者にしか販売できないよう、業界と自治体で取り決めていた。しかし03年に県内の養鰻(ようまん)業者が全て廃業したため、シラスウナギの採捕自体を全面禁止とした。

 県水産課によると、その後、県内でもウナギの養殖が数件再開されたが、県内でのシラスウナギの採捕は天然ウナギの資源回復のために引き続き禁止しているという。

 密漁したシラスウナギが県内で流通することは考えにくく、何らかのルートで県外に販売されている可能性が高いとみている。県警などは密売ルートを含めて調べている。