ナイアシンは、ニコチン酸とニコチン酸アミドの総称です。

ナイアシンは、生体内でエネルギー生産や、糖質、脂質、たんぱく質の代謝などに関わる重要なビタミンです。
体内で必要なビタミンの半分以上は、ナイアシンが関わって生産されています。

また、次のような極めて多くの働きを担っています。

  • 遺伝子の合成
  • 各種ホルモンの合成
  • 細胞の分化
  • 脳神経系の働きを正常に保つ
  • 消化器の健康を維持し、胃液や胆汁の分泌を正常に保つ
  • 血管拡張作用を持ち、血液循環を円滑にする
  • 皮膚の機能を正常に保つ
  • 体内で最も重要な抗酸化物質

精神疾患の改善や、コルステロールの低下も期待されています。

ナイアシンの主な性質

水溶性ビタミンです。
水に少し溶けます。
熱、光、酸、アルカリに強い。

ナイアシン欠乏症

  • ペラグラ
  • 皮膚炎
  • 口舌炎
  • 胃腸病
  • 下痢
  • 精神障害など

ナイアシン過剰症

50mg以上のニコチン酸の摂取でフラッシュ(一時的な皮膚の紅潮、チクチク感)が起こります。
通風の気のある人に痛風の発作を起こさせることがあります。

ナイアシンを多く含む食品

  • 酵母
  • 肝(牛レバー)
  • 獣鳥肉類(鶏肉(ささみ))
  • 豆類(落花生、大豆(乾))
  • 緑黄色野菜
  • かつお節、かつお
  • まぐろ(赤身)
  • さば

ナイアシン摂取推奨量

  • 成人男子 15mgNE/日
  • 成人女子 12mgNE/日

(NE=ナイアシン当量)

ナイアシンの摂取をオススメする人

  • 口内炎の人
  • 疲れやすい人
  • 不眠症の人
  • もの忘れの多い人
  • 神経障害の人
  • 脱毛の人
  • 肌荒れが気になる人
  • 頭痛の人
  • 冷え性の人

メモ

動物性たんぱく質に1.4%、植物性タンパク質に1.0%のトリプトファンを含むとして、また、体内でトリプトファン60mgから1mgの割合でナイアシンが作られるものとして、ナイアシン当量(NE)を算出します。

ニコチン酸と有害物質のニコチンとは、全く別物です。

ナイアシンはビタミンB3と呼ばれることもあります。

ビタミンCと一緒に摂るのが良いといわれています。