「飽食」ということばをご存知ですか?
大辞林第三版によると、
- 飽きるほど十分に食べること。
- 物に不自由しないこと。生活上の苦労がないこと。
です。
日本人は飽食の状態にあると思います。
そして、その代償として、生活習慣病や各種の環境問題に苦しんでいます。
とにかく日本では食べ物が簡単に手に入ります。
24時間営業のコンビニや食堂は、いくらでもあります。
恵まれた食環境です。
恵まれ過ぎと言ったほうが良いかも知れません。
このため、わたしたちは、すぐに満腹感を求めてしまいます。
待つことをしません。
その結果、からだの調子が悪くなったり、病気になったりする人が増えています。
このような飽食の環境を見直すためには、どうしたらよいでしょうか?
まず、満腹を求める状態を減らしたいですね。
そのために、よく言われますのが、「ゆっくり食べる」ということです。
脳の視床下部というところに「満腹中枢」というものがあります。
この満腹中枢は、食欲をコントロールします。
満腹中枢は、血液中のブドウ糖(血糖値)の量や、脂肪やタンパク質の量、十二指腸や胃の変化、体内の水分量など、さまざまな情報を受け取り、満腹したかどうかを判断します。
からだに十分な量を食べたと満腹中枢が判断しますと、満腹中枢は脳に「食べるのを止めなさい」と命令します。
食事を始めますと、血糖値が上がります。
すると満腹中枢が刺激されてきますが、そうなるまでに15分から20分ほど掛かります。
ですので、ゆっくり食べますと、食事の量が少なくても、満腹を感じるようになります。
早食いしますと、満腹を感じるまでにたくさん食べてしまうことになるんですね。
以上のような例を挙げてみましたのは、フードコーディネーターの仕事の将来性の一つがそこにあると、私が感じているからです。
日本人の食生活の問題は、フードコーディネーターが目指しているような、幅広い食の専門分野を学んだ人でなければ、良い解決策が見つからないと思います。
つまり、フードコーディネーターは、社会や企業で、食の専門家として多くの活躍をすることができると思うのです。
フードコーディネーターの仕事は,とてもやりがいのある仕事になっていくと思います。
食の問題は無くなることはありません。
これからますますフードコーディネーターが求められる時代になると思います。
そして,フードコーディネーターの仕事が増えていくことでしょう。