湯浅・しょうゆ醸造の町(和歌山)
町家や白壁の蔵がびっしりと並び、その間を細い路地が網の目のように広がっている。まるで時代劇の世界にタイムスリップしたような錯覚を起こす。
ぶらり歩きはじめると、甘さと辛さが絡み合った濃厚な香りが漂ってきた。
江戸時代、徳川御三家紀州藩の保護を受け、しょうゆ造りで発展してきた町。「当時は約1千戸の町内に90軒以上のしょうゆ醸造家があった」と地元のガイド協会長さんが教えてくれた。しょうゆの作り手だけでなく、様々な業種の商家も集まり、各地から訪れる人たちでにぎわったそうだ。半辺さんによれば、いまでも「室町時代のころの道など町割がそのままの形で残っている」という。
重伝建地区には「小路小路」と呼ばれる道幅が1~2メートルほどの道がいくつもあります。まるで迷宮のような町ならではイベントも。
そんな町は、しょうゆ醸造の発祥の地とされ、古い町並みは文化庁から「重要伝統的建造物群保存地区」(重伝建地区)に選定された和歌山県湯浅町だ。