1月末で閉店した帯広市の百貨店「藤丸」の屋号を引き継ぐ新会社「藤丸株式会社」は2日、これまでの建て替え方針を改め、既存施設を改修して再利用する方針を示した。これにより、早ければ2026年度としていた再開時期を、25年秋に早める。村松一樹社長は「街中に穴が開いている状態を何とかしたい。最も早く再開にたどり着けるのが施設の再活用という結論に至った」と説明した。
 藤丸の閉店に伴い、当初から現施設を改修する案は検討されていたが、「老朽化が進行している」などとして一時見送られた。複合ビルにする案も出たが、同社は今年5月末、現施設を解体して、商業施設に特化した中低層階の建物を新築する方針を示していた。

 2日の会見で村松社長は、「構造計算の結果、うまく改修すれば数十年は持たせることができることが分かった」と説明。利点として、早期再開のほか、現在の地下駐車場が活用できることや、事業規模が約30億円と、解体・新築案より約10億円少ないことを挙げた。ただ、現在8階建ての施設の減築も検討する。