有明海がノリ漁のシーズンを迎えた。26日は佐賀、福岡、長崎各県の漁協がノリ養殖の網に胞子をつける「種付け」を解禁。漁師たちは夜明け前から海に出て、色とりどりの網を海に広げた。
佐賀県有明海漁協は26日午前0時に解禁し、この日は約700隻が出港して計約60万枚の網を海にいれた。漁師たちは漁場に着くと角船と呼ばれる小舟に乗り換え、林立する支柱の間をゆっくり進みながらロール状の網を海に広げた。網にはノリの胞子がついたカキ殻がぶら下がっていて、放出された胞子が網につくと1カ月ほどで収穫できる15~20センチの長さに育つという。
漁協の今季の目標は板ノリ換算の生産枚数18億枚、販売額は225億円。いずれも都道府県別で20季連続の日本一を目指す。組合長は「朝夕の寒暖差が出てきて、やわらかくておいしいノリが育ちそう」。今年は台風11号と14号の暴風が海をかき混ぜ、海底の栄養分が海中に広がったのも好条件といい、組合長は「昨季凶作だった県西南部も含め、今季は全地区で大豊作を」と期待を込めた。
有明海では熊本県の漁協も25日午前0時に種付けを解禁した。