プチプチとした食感が楽しい海ぶどうと言えば、沖縄県。だが、近年は瀬戸内海に面した広島県竹原市でも養殖されているという。現地を訪ねてみた。

 最寄りの山陽自動車道河内(こうち)インターチェンジを降り、山道を30分ほど下ると目前には青い海。「ウサギの島」で知られる大久野島が望める。海辺の木造平屋が、芸南漁業協同組合の海ぶどうの養殖場だ。壁や天井には半透明の建材が使われ、日の光が降り注ぐ。

 中には海水で満たされた大きな水槽が四つ。組合長の福本悟さん(72)が網を引き揚げると、「緑のじゅうたん」が現れた。少しとって食べさせてもらうと、塩味のあとにほんのりと甘みが広がった。正式名称はクビレズタという海藻で、球状の小枝が密生することから海ぶどうと呼ばれる。

 タイやタコ漁をしてきた組合が海ぶどうの養殖を始めたのは5年ほど前のことだ。当時、漁獲量の減少による赤字や高齢化に直面していた。

写真・図版広島県竹原市で養殖されている海ぶどう=2020年5月5日、広島市中区