丈夫な日本の電化製品との出会いがきっかけで、来日を決めた人がいる。外国語指導助手(ALT)をしながら、奈良市南京終町2丁目で輸入食料品店「サキナハラールフード」を営むパキスタン出身のミアン・ユスフさんだ。

 東部グジュラワラの人口400人ほどの村で育った。通った5年制の小学校の全校生徒は70人、先生は2人だけしかいなかった。普段の授業は屋外に敷いたシートに座って受け、教室での勉強は暑いときだけ。中学時代までは、ろうそくやオイルランプの明かりで暮らした。

 村に電気が通った1980年代、村人が日立製のテレビを買った。「made in Japan」と書いてあったことから日本製だと知る。毎週金曜日午後8時には人気ドラマが放映。テレビを屋外に設置して子どもからお年寄りまで100人ほどが椅子を持って集まり、楽しんだ。