街の「ど真ん中」にできたイチゴ園が好評だ。大阪府豊中市穂積2丁目にある「半田ファーム じぇっとハウス苺(いちご)園」。昨年6月にビニールハウスが完成し、年末から収穫・販売を始めると、あっという間に売り切れる日が続き、予約販売も始めた。

 豊中南郵便局や企業の事業所などが立ち並ぶ市街地の一角に、「いちご直売所」と書かれたのぼりが立つ。出入り口から入ると、奥に幅10メートル、奥行き38メートルのビニールハウスが2棟並んでいるのが見えた。「約3400株のイチゴを育てています」と代表の半田さんは話す。

 もともとは米を長年作っていた土地だったという。半田さんは市内で小学校教諭をしていたが、59歳の時に父が亡くなったのを機に退職。専業農家となり、田んぼを引き継いだ。

 市の農業委員を務めるようになり、その縁でイチゴ栽培に詳しい人がいることを知った。昨年1月ごろに紹介された大阪府河南町のイチゴ農家のハウスを訪れた。イチゴの色の輝きや甘酸っぱい味に触れ、「米作りに代わるものとして魅力がある」と思い、挑戦することにした。