神奈川県の地ビール会社「鎌倉ビール醸造」が宮城県気仙沼市に進出する。東日本大震災の津波で壊滅し、住宅が移転した跡地に工場を建てる。跡地の活用は被災地共通の課題で、市は歓迎ムードだ。

 新工場は市南部の本吉町小泉地区にできる。敷地面積約6200平方メートル、鉄筋平屋建てで延べ床面積は約2400平方メートル。2022年12月に着工し、23年6月に完成させ、同10月から生産を始める予定だ。総事業費は10億円で、約半分を国の補助金でまかなう。

 鎌倉ビール醸造は首都圏を中心に自社名を冠した地ビールを製造販売しているが、工場が小さく、増産要請に応え切れていなかった。このため新工場建設地を探していたところ、震災復興のイベントに協賛していたことなどが縁で、>気仙沼に決めた。年間生産量は当初1千キロリットルで、現工場の8倍が可能。数人を県内から雇用するという。