セレンには抗酸化作用があり、ビタミンCやビタミンEとともに、細胞組織の酸化を防ぎます。
また、セレンには、次のような働きがあります。

  • ユビキノン(コエンザイムQ10)の合成を通じて、生体酸化を調整します。
  • 血圧をコントロールするプロスタグランジンの生成に関与します。
  • 精子の形態維持の作用があります。
  • 甲状腺ホルモンの活性を高めます。成長や発育に欠かせません。

セレンの主な性質

成人体内に体重1kg当たり約0.17mg含まれます。
胃、下垂体、肝臓に多く存在しています。

膵臓酵素の構成元素です。

セレン欠乏症

  • 白色筋萎縮症(羊、牛)
  • 肝臓壊死(ねずみ)
  • 浮腫(鶏)

ヒトの場合、セレン単独の欠乏症はほとんどありません。
中国の風土病の「克山(クーシャン)病」の原因がセレン欠乏と言われています。

セレン過剰症

  • 吐き気、下痢、食欲不振、頭痛
  • 免疫抑制
  • 肌荒れ、脱毛
  • 流産

セレンを多く含む食品

  • ほや
  • 毛ガニ
  • うなぎ(蒲焼き)
  • カツオ、ウルメイワシ、アジ、タコ
  • アワビ
  • わらび
  • 牛乳

セレン摂取推奨量

  • 成人男子 30〜35μg/日
  • 成人女子 25μg/日

セレン摂取上限量

  • 成人男子 450μg/日
  • 成人女子 350μg/日

セレンの摂取をオススメする人

  • 生殖機能の衰え(男性)を感じる人
  • 風邪を引きやすい人
  • 老化を予防したい人
  • 関節炎を気にする人
  • 大気汚染から呼吸器を守りたい人

メモ

ビタミンEの生理作用と共通点が多いです。

抗酸化作用はビタミンEの100倍とも言われています。

セレンには毒性がありますので、摂取し過ぎると危険です。

必要量と中毒量との範囲が非常に狭いので、摂取には注意が必要です。