ビタミンA(およびカロテン)は、細胞間の物質や、個々の細胞を隔てる細胞膜などの材料になります。
また、皮膚、粘膜、髪を健康に保ちます。
ビタミンAは薄暗い所で視力を保ちます。
ビタミンAは網膜で光を感じとるロドプシンの主成分です。
カロテンには抗酸化力、抗がん作用があります(特にβカロテン)。
また、細胞内での遺伝情報の伝達に関与します。
ビタミンAの主な性質
脂溶性ビタミン。
水に溶けません。油脂に溶けます。
ビタミンAそのものは動物(レバーなど)にのみ存在します。
カロテンは動植物中に存在します。
ビタミンAは、熱にやや不安定です。
酸化、乾燥、高温で壊れます。
アルカリで比較的安定します。
ビタミンEその他の抗酸化剤で安定度を増します。
ビタミンA欠乏症
- 成長不良
- 骨、歯の発育不良、変形
- 夜盲症
- 乾燥眼
- 感染に対する抵抗力低下
- 皮膚や粘膜の上皮の角質化(皮膚のかさつき)
- 風邪を引きやすくなります。
- 結膜炎になりやすくなります。
ビタミンA過剰症
ビタミンAの100,000IU以上の摂取によって過剰症を起こすことがあります。
ビタミンAは脂溶性ビタミン(水には溶けないビタミン)で、過剰分は肝臓などに蓄積されます。
蓄積量が増え過ぎますと、中毒症状を起こします。
- 頭痛
- 疲労感
- 吐き気
- めまい
- 神経過敏
- 食欲不振
- 睡眠障害
- 肝機能障害
- 奇形
ビタミンAを多く含む食品
- 肝油
- レバー
- うなぎ
- バター
- 牛乳
- チーズ
- 卵黄
- 強化マーガリン
- 焼きのり
- 抹茶
- 緑黄色野菜(ビタミンAではなくカロテンを含む)
ビタミンA摂取推奨量
- 成人男子 750μgRE/日
- 成人女子 600μgRE/日
(RE = レチノール当量)
(1μgRE = 1μgレチノール = 12μgβカロテン = 24μgαカロテン = 24μgβクリプトキサンチン)
ビタミンA摂取上限量
- 成人男子 3,000μgRE/日
- 成人女子 3,000μgRE/日
ビタミンAの摂取をオススメする人
- 老化予防したい人
- 風邪を引きやすい人
- 疲れやすい人
- 喫煙している人
- アレルギー体質(喘息、花粉症など)の人
- 薄暗い所で物が見えにくい人
- 目の疲れやすい人
- 空気の悪い所に住んでいる人
- 肌がかさつく人
メモ
ビタミンAは、A1とA2とその誘導体の総称です。
- ビタミンA1 = レチノール、レチナール、レチノイン酸
- ビタミンA2 = デヒドロレチノールなどのデヒドロ体
レチノールのみをビタミンAと呼ぶ場合もあります。
レチノール0.33μg = 1IU(IU = 国際単位)
βカロテン6μgがレチノール1μgに相当します。
カロテン(αカロテン、βカロテン、γカロテン、クリプトキサンチンなど)の一部は、動物体内においてビタミンAに変換されます。
このようなものをプロビタミンAと呼びます。
ビタミンAに変換されやすいのは、βカロテンです。
カロテンの消化吸収率はレチノールの1/3程度です。